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糸巻について

糸巻で大切なこと

糸巻は音程を細かく調整する部品ですから、以下の点が大切です。
1.糸巻を回転させたときにがたつき(バックラッシュ)がないこと
2.弦を張った状態でも糸巻の回転がスムースで、回転の重さも一定であること
3.音程の微調整がしやすいよう、ギア比が大きめであること
4.ベース用は弦を巻きつけるシャフトが細すぎないこと

糸巻の種類と音の関係

糸巻の構造の違いとそれぞれの特徴を以下にご紹介します。
「ヘッドストックについて」で述べたこととも関連しますが、意外と糸巻の重さも楽器の音に影響します。小型で軽量の糸巻は軽めの音色、大型で重い糸巻は中低域がしっかり出る傾向にあります。

1.ダイキャスト製 (Diecast Tuner)

本体(ケース)を鋳造して作った糸巻。
合金を金型で成型するので、精度が高く耐久性もあります。多くは亜鉛合金で作られていますが、軽量化のためにアルミ合金を使ったものもあります。
ツマミ部分についているネジを締めたり緩めたりして、回転トルクが調整できるようになっているのが一般的です。

2.クルーソンタイプ (Kluson Tuner)

軽量でヴィンテージな雰囲気があるので、根強い人気があります。糸巻の本体は鉄板をプレス成型して作られており、回転トルク調整用のネジは付いていないのが普通です。
実力のあるメーカーの製品であれば精度は高く、ダイキャスト製糸巻と比べても遜色ありません。

3.オープンタイプ (Open Style Tuner)

ギアが露出しているスタイルの糸巻でベースによく使われます。メーカーの実力によって精度が大きく異なる糸巻であり、良いものは回転がスムースでギアのがたつきもほとんど感じられませんが、安価な製品の中にはがたつきが大きかったり、弦を張っていくと回転が重くなったりして、チューニングしにくいものもあります。

4.カバードタイプ (Covered Tuner)

低コストで製造できる、オープンタイプの糸巻に薄い金属カバーを付けた形の糸巻です。初心者用のモデルに使われているものは、精度があまり良くありません。
糸巻の交換は比較的簡単で、チューニングが楽になることも多いので、グレードアップしてみる意味はあると思います。

5.ロック式糸巻

糸巻のシャフトで弦を固定できる機能が付いた糸巻です。
通常の糸巻の場合、弦を糸巻シャフトに3~4回巻き付けて張弦しますが、ロック式糸巻の場合は、シャフトの穴に通した弦をロックできるため、シャフトに弦を巻き付ける必要はありません。
元々はトレモロ付きギターのチューニングを安定させる目的で作られた糸巻ですが、普通のブリッジが付いたギターでも弦交換が楽になり、チューニングも安定するメリットがあります。デメリットとしては重量増があります。

Rooftop Model 1 では、軽量でチューニングも安定するクルーソンタイプ、Model 2 では小型のダイキャスト製糸巻を採用しています。