Tech Talk
はじめに
どう設計すると良いギターができるのか、いまだにうまく説明しきれないことは多いです。そもそも「良い音がする」とはどういうことなのか、それについてさえ、ちゃんとした理論があるわけではありません。
私自身、先輩諸氏から教えてもらった知識、経験から学んだ暗黙知みたいなもの、さらに「こう考えれば一応の説明は成り立つ」という自分なりの工学部的な解釈を混ぜ合わせて、なんとか設計をしてきました。狙い通りのものができたこともあれば、期待の半分にも届かなかったこともあります。
理論立てて説明しにくい世界だけに、ネット上でも誤解や迷信に近い話を見ることがあります。
その一方で、楽器なんだから「何が正しくて何が間違っているか」よりも楽しめればいいんだし、特にエレキギターの場合、音よりも弾きやすさよりも、かっこいいかどうか、が大事な時だってあります。
それもこれも分かった上で、エレキギターというものを理解する一助になればと思い、私の設計業務経験から得た「エレキギターに関する基本知識」みたいなものをここにまとめました。
「それは違うんじゃないか」という部分がありましたら、教えていただけるとありがたいです。