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弦長(スケール)について

弦長とは?

弦長(スケールとも言います)とは文字通り、弦の長さ、つまり上駒からブリッジまでの距離のことです。
実際のギターやベースでは、弦ごとにサドルの位置が少しずつ異なります(⇒ 取扱説明書の「イントネーション調整」を参照)が、上駒から12フレットまでの距離を2倍した長さが弦長になります。

一般的な弦長

エレキギターでは 25-1/2インチ (648mm) と 24-3/4インチ (629mm) の2種類が主流ですが、ミニギターのようにもっと短いスケールや Paul Reed Smith のような中間的な 25インチ (635mm) スケールのギターもあります。
ベースでは 34インチ (864mm) が多数派ですが、35インチ (889mm) のものもあります。

弦長の呼び方

正式な呼び方があるわけではありませんが、エレキギターの場合、25-1/2インチ (648mm) をロングスケール、あるいはフェンダースケールと呼ぶことが多いです。24-3/4インチ (629mm) はレギュラースケールとかミディアムスケール、あるいはギブソンスケールと呼ぶことが多いですが、中には(25-1/2インチ と比較して)ショートスケールと言う人もいます。
ベースの場合は、34インチ (864mm) をロングスケールとかレギュラースケールと呼び、35インチ (889mm) をスーパーロングスケールとかエクストラロングスケールと呼ぶことが多いです。ショートスケールという言葉はEBの場合、34インチ (864mm) より短いものに使われる場合が多いようです。

弦長と演奏性

同じゲージの弦で、同じ音程にチューニングした場合、スケールが短い方が弦のテンション(弦の張力)は弱く、長い方が弦のテンション(弦の張力)は強くなります。そのため、スケールが長いモデルでは弦を押さえるのにやや力が必要になり、チョーキングやピッキングの際に弦が硬く感じられます。
また、スケールが長いとネックも長くなるため、ネックが体から遠く感じられます。
逆に通常より短いスケール(ミニギターなど)では、フレットの感覚が狭く、弦のテンションも弱くなるため弾きにくく感じられます。太めの弦を張ることでテンションは強くできますが、スケールがかなり短いギターでは、チューニングが合いにくくなる傾向があります。

弦長と音

同じゲージの弦で、同じ音程にチューニングした場合、スケールが長いと張りのある音になり、スケールが短いとゆったりした音になります。例えば、5弦・6弦ベースの Low B 弦は、34インチスケールより35インチスケールの方が、音の輪郭がはっきり出ます。
右図のような "Fan Fret" は低音弦の音の輪郭と高音弦の演奏性を両立させるのが目的です。

楽器の弦長を変えることはできませんが、弦のゲージを調整することで、弦のテンションと音色は調整できます。例えば、エレキギターに低音弦が太めのヘビーボトムのセットを使えば、低音弦のテンションが上がり、音の輪郭もはっきり聞こえるようになります。

Rooftop Model 1 では 24-3/4インチ=629mm、Model 2 では 34インチ=864mm を採用しています。